浅利 美鈴さんが思う“エシカル消費”とは
さよなら「もったいない!」
これまでの活動を教えて下さい。
研究では、ごみや環境教育をテーマに、アクションリサーチ(実践しながら検証)を志向してきました。食品ロス削減、プラスチックごみや災害廃棄物の管理に関する研究、百貨店における消費者啓発イベントや、小中高・大学生らとの環境・SDGs教育プログラムの開発などを実施してきました。
いま取り組んでいる・注力していることは?
コロナ禍や、脱炭素社会に向けて、改めて、里山に注目が集まる中、京都の北部山間地域に、廃校を利用した京都里山SDGsラボ「ことす」を開設しました。持続可能性が危ぶまれる地方の持続化モデルとなるべく、また、「ことす」が立地する京北地域が、社会課題解決に向けたSDGsバレーとなるべく、足しげく通っています。
今後の構想・取り組みたいこと・野望などは?
「ことす」にて、福祉×デザイン×ごみ(資源)が出会うことで、様々なアップサイクル(より価値が高まるリユースやリサイクル)が事業化されるような仕組みを作りたいと思っています。それが、全国や全世界に広がると、まさに、誰一人取り残されず、資源の無駄もなくなる持続可能な社会の一つの姿になるのではないかと考えています。
浅利 美鈴
京都大学/京都超SDGsコンソーシアム
2000年、京都大学工学部地球工学科卒業。2004年、工学博士。現在は京都大学地球環境学堂准教授。研究テーマは「ごみ」や「環境・SDGs教育」。世界中の「ごみ」や暮らしぶりを観察して歩く日々を送る。社会の縮図として、京都大学のサステイナブルキャンパス化にも取り組む。学生時代に「京大ゴミ部」を立ち上げ、環境啓発・教育活動に取り組み始め、2005年からは、京都議定書達成に向けた「びっくり!エコ100選」、エネルギー問題にアクションを起こす「びっくりエコ発電所」、京都におけるSDGs実装を目指す「エコ~るど京大」や「京都超SDGsコンソーシアム」「京都里山SDGsラボ(ことす)」などを展開。廃棄物資源循環学会や大学等環境安全協議会の理事、2022年11月に第15回を開催する「3R・低炭素社会検定」の事務局長も務める。