これまでの活動を教えて下さい

船場は、商業施設をはじめオフィスや教育、ヘルスケア、余暇施設等の様々な空間づくりにおいて、調査・企画・デザイン・設計・施工・メンテナンスまでをトータルでサポートしています。

2021年よりビジョンに「Good Ethical Company」、ミッションに「未来にやさしい空間を」を掲げ、人や地域社会、自然環境への"おもいやり"の視点を大切にする「エシカル」な空間づくりを行っています。短期間で大量の廃棄物が排出される内装業界の状況に疑問を抱き、地球や未来に負荷をかけない空間づくりに取り組み始めました。

 

いま取り組んでいる・注力していることは

2020年に全社を横断する「ゼロウエイスト推進室」を設置し、自社の施工現場にて排出していた年間約6,000トンの建設系廃棄物の削減と、一次リサイクル率()の向上を目標に活動を始めました。

具体的な活動内容としては、全国の現場の廃棄物の発生量をリアルタイムで集計する仕組みを構築し、現場の管理・指導を行い、約2年かけて一次リサイクル率90%超えを達成。空間をつくるときの廃棄物を減らすだけでなく、計画段階から使い終わった後のことを考慮し、将来的なリニューアルや解体も負荷をかけずに実施できるような設計・施工を行っています。

2023年には、ある店舗づくりにおいて、内装工事で排出される産業廃棄物のリサイクル率100%を実現しました。(詳細は、こちら

※ 本来リサイクル率は、最終処分会社の再資源化量をもとに算出されますが、全ての最終処分会社での再資源化量を把握する仕組みが構築されていないため、現場での分別排出及び中間処分会社での分別処理率を一次リサイクル率と船場独自に定義し算出しています。

-未来にやさしい空間づくりで循環型社会の共創を目指す-

空間をつくる素材の選定においても、当社独自の選定基準と視点で、未来にやさしい「エシカルマテリアル(エシマテ)」を集め、研究を行っています。約100社以上の建材・原材料メーカーから情報を収集し、使い終わった後のリサイクル方法や再生資源の活用を探り、資源循環のエコシステム構築を目指しています。

-未来にやさしい空間づくりで循環型社会の共創を目指す-

▲エシカルマテリアル選定のための「4つの視点」

-未来にやさしい空間づくりで循環型社会の共創を目指す-

▲当社オフィス内エシカルマテリアル常設展示スペース

また、小径木(しょうけいぼく。切り口の小さな丸太を指す)や工場端材、廃タイヤや廃校の家具など、社会で価値化されていないものや、使い終わったものを「未活用資源」と定義し、それらをアップサイクルした家具を制作し、販売を行っています。

-未来にやさしい空間づくりで循環型社会の共創を目指す-

▲工事現場で出たケーブルドラムや、学校の統廃合等で使わなくなったものをアップサイクルした家具

-未来にやさしい空間づくりで循環型社会の共創を目指す-

▲林業が抱える課題や森林資源の可能性を示唆するプロダクト「飛騨の森の忘れもの」

-未来にやさしい空間づくりで循環型社会の共創を目指す-

▲工場端材や広葉樹等の未活用資源を用いて制作したデスク「つながるつくえconnec」

 

今後の構想・取り組みたいこと・野望などは

当社は様々なエシカルな取り組みを通じて、「つくる」だけでなく「つかう」や「すてる」まで含んだデザインを行うことで、循環型の空間づくりを推進し、サプライチェーン全体でより良い社会を共創することを目指しています。

空間づくりには、林業などの資源を生む一次産業から建材メーカーなどの製造業、建築・内装業や、廃棄物処理などのリサイクル業など、様々な企業が携わっています。パートナー企業が抱える社会課題を把握し、「エシカル」を前提に業務プロセスを再考することから始め、エシカルな仲間を増やすことで、循環型ビジネスの創造、サーキュラーエコノミーの実現に繋げたいと考えています。
(当社の考えるエシカルデザインについてはこちら

株式会社船場(https://www.semba1008.co.jp/ja)

大型商業施設や飲食店といった商空間から、オフィス、教育、ヘルスケア、ホテル、余暇施設など幅広い分野において、国内および海外5拠点で事業を展開。「未来にやさしい空間を」をミッションに、空間づくりの全プロセスを一貫してサポートしています。

-未来にやさしい空間づくりで循環型社会の共創を目指す-