#ペットボトル #水平リサイクル #ボトルtoボトル
はじめに
一般社団法人 全国清涼飲料連合会(以下、全清飲)では、清涼飲料水の主力容器であるペットボトルの再資源化に取り組んでいます。清涼飲料業界は、2021年「2030年ボトルtoボトル50%」を発表しました。全清飲では、その目標達成実現に向けて、様々な活動を行っています。消費者への啓発活動としては、リサイクルの過程を体感できるイベントや環境学習講座を通じ、地域や空港などでペットボトルリサイクルの啓発活動を展開。リサイクル効率の向上と資源循環の強化を図っています。また、消費者ができることとして、キャップやラベルの分別も重視し、その行動も促しています。取組についてお話を伺いました。
ペットボトルリサイクル率50%へ。清涼飲料業界が目指す2030年
毎日の生活に欠かせない清涼飲料水。その容器構成比でペットボトルは8割を占めています。清涼飲料水をこの先も持続的に利用していただくため、清涼飲料業界ではボトルの再生利用に向けた様々な取組を行っています。中でも主力容器のペットボトルは、貴重な資源として、リサイクルしていくための循環の輪が加速しています。
日本のペットボトルのリサイクル率は現在85.1%(2024年度)と世界でもトップレベルです。ペットボトルはリサイクルにより、様々な製品に再利用が可能です。近年、技術革新により、ペットボトルを再びペットボトルに戻す「水平リサイクル」の「ボトルtoボトル」が進んでいます。清涼飲料業界は、2018年に「2030年PETボトル100%有効利用」、2021年に「2030年ボトルtoボトル比率50%」の目標を掲げ、様々なステークホルダーの皆さんと連携し、取組を進めています(2024年度ボトルtoボトル比率は37.7%)。
水平リサイクルは、ペットボトルを元のペットボトルに戻すことで何度でもリサイクルが可能となり、環境負荷低減の観点からも高度なリサイクル手法です。そのためには、生活者の方々が飲み終えたペットボトルを、きれいにした状態で排出していただくことが非常に重要です。一過性のものではなく行動変容につながるように、自治体や事業者と連携しイベントに出展したり、小学校の出前授業などで児童に伝えるなど、様々な啓発活動を行っています。
ボトルtoボトルの流れ
地域と連携し、ボトルtoボトルを推進。イベント出展を通じた多彩な啓発活動
全清飲では、ペットボトルのリサイクルを進めるため、行政、自治体、事業者と連携した取組を進めています。東京都葛飾区とはボトルtoボトルの推進に関する連携協定を締結しており、葛飾区の清掃フェアなどの大きなイベントでは、一緒にボトルtoボトルの啓発活動を行っています。東京都大田区内最大の区民祭りであるOTAふれあいフェスタでは、全清飲がブースを出展して、ボトルtoボトルの流れを伝えたりしているほか、東京都北区主催で、地域団体や企業が参加して子どもから大人まで環境について楽しく学べるイベントを開催しました。このイベントでは、小学生に向けたペットボトルのリサイクルに関する出前授業を実施し、好評を得ています。
また、大阪府では教員向けへの研修会などでリサイクルの重要性を伝えています。そのほかにも、ペットボトルの購入・利用場面の多いインフラ事業者との連携も実施しています。羽田空港では3年目となる資源循環イベント「羽田deリサイクル ~ペットボトルは、ボトルからボトルへ~(Close the loop!(循環させよう!))を2025年10月に行いました。 特に空港は、インバウンド需要も相まってその利用者は毎年増加傾向にありますが、多くの使用済みペットボトルが排出される場所でもあり、全清飲ではボトルtoボトルの啓発活動として日本空港ビルデング株式会社と一緒に啓発活動を行っています。
「ごみ減量・清掃フェアかつしか」に出展し、ペットボトルに関するアンケートを実施
大田区の区民祭り「OTAふれあいフェスタ2025」。自販機横新機能リサイクルボックスなどボトルtoボトルに関する最新情報を紹介した
羽田空港において行われた資源循環イベント「羽田deリサイクル ~ペットボトルは、ボトルからボトルへ~(Close the loop!(循環させよう!))。ペットボトル専用回収ボックスの設置や、環境学習講座も開催
イベントでは、ボトルtoボトルの過程を体感! 共感を高め、理解を促す
イベントでは、各種体験を通じてボトルtoボトルへの理解を促しています。例えば、模型を使った展示では、ラベル・キャップの外れた使用済みペットボトルをまとめてつぶしてベール状にし、これを破砕・洗浄してフレーク状にし、さらにペレット状にして、ペットボトルの元となるプリフォームになるリサイクルまでの一連の流れを紹介しています。啓発活動では、その模型に実際に触れてもらうことでリサイクルを体感してもらうことに注力しています。そうすることで、なぜ飲み終えたペットボトルをきれいに排出することが重要なのかを理解いただくことができ、多くの共感を得ることにつながっています。
キャップ、ラベルがついたままであったり、中に飲み残しや異物が入っていたりすると、回収した先のリサイクル施設で人の手で選別しなければならないこともあります。お住まいの排出ルールに従って出していただくと、その後のリサイクル工程での負荷低減につながります。
啓発活動で用いる模型
また毎年実施している消費者調査では、家でペットボトルを排出するときには8割の方がキャップとラベルを外しているのに対し、外ではどうしているか聞いてみると、屋内(オフィスや学校)では4割、屋外(街中や公園)では3割にとどまる結果となりました。今後は、外でもボトルとキャップとラベルを分ける行動につながるように啓発活動を行っていく予定です。そうすることで、よりきれいな使用済みペットボトルの回収に寄与できると考えています。
私にとってのエシカル消費:限りある地球の資源を有効に使い、社会や環境などに配慮した製品を選択する消費行動
社会や環境などに配慮した製品を選択する消費行動は、エシカル消費のひとつです。ペットボトルは、皆さんの健康を支える清涼飲料水をいつでもどこでも飲んでいただくための容器ですが、飲んだ後の皆さんの行動によって、ごみにも資源にもなり得ます。
「分ければ資源、混ぜればごみ」という言葉がまさに表しているように、ペットボトルも飲んだ後、キャップとラベルをはずし、中身をきれいにして、お住まいの地域のルールに従って出していただければ、またペットボトルに戻ったり、様々なものに生まれ変わります。限りある地球の資源を有効に使っていくために、私たち一人ひとりの協力が欠かせないことを知っていただきたいです。
また、ペットボトルが再びペットボトルにリサイクルされる「ボトルtoボトル」によってできたリサイクルペットボトルは何度でも新たなペットボトルに生まれ変わりますので、そのような商品を選んでいただくことも、エシカルな消費につながると感じます。
全国清涼飲料連合会は、1955年の設立以来、清涼飲料業界の健全な発展と、持続可能な社会の実現を目指し、業界各社とともに活動を続けています。近年では、業界横断の取組として「ボトルtoボトル」によるペットボトルの水平リサイクルや、環境配慮型パッケージの推進、地域社会との協働による資源循環型社会づくりにも注力しています。
多様化する社会ニーズやライフスタイルに応えるべく、全国の業界各社と連携しながら、より良い飲料文化の創出と、持続可能な飲料の供給を目指してまいります。