#リユース #リサイクル #サステナブルファッション #資源循環
はじめに
ものを長く大切に使い、不要になった際には次の使い手へつなぐ。そんな持続可能な暮らしの選択もエシカル消費の一例です。「無印良品」を展開する株式会社良品計画は、店舗で回収した衣服や日用品をリユース、リサイクルする「ReMUJI」を展開しています。中でも衣服は「染めなおす」、「繕う」といった日本の暮らしの知恵を用いて一着ごとに加工し、一点一点異なる風合いや個性を活かしながら新たな商品価値を創出しています。回収した衣類における再生の工夫や、ReMUJIに込めた思い、今後の展望について、同社にお話を伺いました。
「ものを“永く”大切に使う」。「ReMUJI」がつなぐ資源の循環
日本に根付く「暮らしの知恵」を活かして
「ReMUJI」は、お客様にとって不要となった無印良品の商品を店舗で回収し、リユースやリサイクルを通じて新たな価値につなげる資源循環の取組です。良品計画では2010年より衣料品回収を開始しました。2015年からは回収した衣料品を染めなおしたり、さらに2021年からは、つなぎ合わせたりして再び衣類として販売する「衣服リユース」という取組を進めてきました。現在は衣料品に加え、プラスチック収納用品やスキンケアPETボトルなどにも回収対象を広げています。回収したプラスチック製品は、同製品の原材料にリサイクルすることで、新たな商品の一部として活用しています。
これらの取組の根底にあるのは、無印良品が大切にしてきた「ものを永く大切に使う」という考え方です。回収した商品をできる限りその価値を保ったまま再利用し、お客様とともに資源を循環させることで、持続可能な社会の実現を目指しています。また、衣服については、日本に古くから根付く「染めなおす」「繕う」などの暮らしの知恵を現代のものづくりに活かし、資源を大切に使い続ける文化を広げていきたいと考えています。ReMUJIの商品をご利用いただいたお客様からは、「一点ごとに表情が異なる商品との出会いを楽しめる」や「資源循環の取組に共感できる」、「お気に入りだった無印良品の商品が別の形で生かされていることに価値を感じる」といった感想が寄せられています。
回収した一着一着を選別し、新提案
唯一無二のアップサイクルを実現
衣服リユースでは、回収した商品を単に再販売するのではなく、その商品が持つ価値をできる限り活かしながら、新たな価値を加えて次のお客様へつなぐことを大切にしています。
特に工夫している点は、一点一点状態が異なる回収品を丁寧に選別し、それぞれに最適な方法で再活用することです。例えば、状態の良い衣料品は洗浄・メンテナンスを施したうえで「洗いなおした服」として販売し、色あせや汚れがあるものは「染めなおした服」として新たな魅力を加えています。また、補修が難しい部分がある衣料品については、別の衣料品の生地と組み合わせて「つながる服」として再生するなど、素材や状態に応じた方法で活用しています。
一方で、回収される商品の状態は一つとして同じものがなく、安定した品質を確保しながら商品化することは大きな課題でした。取組を始めた当初から、どのような基準で再販売するか、またどのようにすればお客様に安心して手に取っていただけるかについて試行錯誤を重ねてきました。その解決に向けては、回収後の選別や加工工程を見直しながら運用を改善するとともに、「新品と同じ価値」ではなく、「それぞれの商品が持つストーリーや個性も含めた価値」としてお客様に伝えることを重視しています。回収された商品ごとに異なる風合いや表情を資源循環の価値として捉え、長く使われてきたものを次の方へとつなぐ仕組みづくりを進めています。
【写真で見るリユース手順】
「ReMUJI」は決して完成された仕組みではなく、お客様にご参加いただきながら育てていく現在進行中の資源循環の取組です。今後も回収・リユース・リサイクル・アップサイクルを通じて、商品の価値をできる限り永く活かし、ものを大切に使い続ける文化の醸成につなげていきたいと考えています。
循環を見据えた
ものづくりをお客様とともに
今後は、回収した衣服をより多く循環させるために、リユースやリサイクルに加え、商品そのものを循環しやすくする商品設計にも取り組んでいきたいと考えています。そのために、新商品の企画段階はもちろん、生産から回収、そして使い終わった後の再生までを一つの“循環”として捉え、資源をできる限り無駄にしない仕組みづくりを進めていきます。
また、衣服の循環を広げるためには、お客様のご参加が欠かせません。当社では、店舗での回収活動を継続するとともに、ReMUJIを通じて「ものを永く大切に使う」という価値観をお客様と共有しながら、より多くの方に資源循環へ参加いただける機会を広げていきたいと考えています。衣服を「使い捨てる」のではなく「次につなぐ資源」へと意識改革を図り、ものを永く大切に使い続ける社会の実現に貢献してまいります。
私にとってのエシカル消費:「もの」の価値を問い続け、様々な「活用・展開」で、ものを永く大切に使う
新しいものを購入する際には、本当に必要なものかを考えること、気に入ったものを手入れしながら永く使うこと、不要になった際には捨てるのではなく次に活用できる方法を探してみること。その一つ一つの選択が、資源を大切に使うことにつながります。こうした日々の小さな行動の積み重ねが、エシカル消費の一歩につながっていくと考えています。
当社では、ReMUJIを通じて、お客様に「ものにはまだ価値がある」ということを実感していただける機会を提供したいと考えています。回収やリユース、リサイクルに参加いただくこともその一つですが、まずは身近な衣服や日用品を少し長く使ってみる、修理してみる、不要になったら回収や寄付を検討してみるといった行動から始めていただければと思います。
株式会社良品計画は、「人と自然とモノの望ましい関係と心豊かな人間社会」の実現を理念に掲げ、「無印良品」を展開する企業です。衣料品、生活雑貨、食品を中心に、暮らしの基本を支える商品やサービスを提供するとともに、地域とのつながりづくりや資源循環の推進を通じて、「感じ良い暮らしと社会」の実現を目指しています。